古文献にみる神在餅についての記述【雲陽誌】

はじめに

 出雲の国は「ぜんざい発祥の地」と言われております。
 佐陀大社
の神在祭の神送りの日に御供えされていた餅と小豆を煮て再び御供えする「神在餅(じんざいもち)」が起源と云われています

 そのことは江戸時代に書かれた書物の中で見ることができます。そのいくつかをご紹介したいと思います。 

 まず初めは松江藩の地誌『雲陽誌(うんようし)』から
 佐陀大社の神在祭の風習から神在餅というようになったことが記されています。

 

[雲陽誌] 佐陀大社  享保2年 黒沢長尚 撰

此祭日俚民白餅を小豆にて煮家ごとに食するを神在餅といふ出雲国にはしまる世間せんさい餅といふはあやまりなり
(佐陀大社)の祭日には、村人は白餅に小豆を入れて煮て、それを家ごとに食べるのを神在餅といっている。出雲国から始まった。世の人たちが、せんさい餅と云うのは誤っている。

 


古文献に見る神在餅についての記述【祇園物語】